【精神科看護師なら知っておきたい!】抗うつ薬の種類と特徴

(スポンサーリンク)

今回の参考資料

(スポンサーリンク)

目次

抗うつ薬とは?

うつの治療薬として作られた薬。

脳内のモノアミンと呼ばれる神経伝達物質を増やす作用があります。

うつ病とはこのモノアミンの働きが低下している状態である。

このモノアミンの量を調整することで脳内のバランスを整え辛い症状を改善していくことができると考えられています。

うつ病と関係するモノアミンとして以下の3つの物質があげられます。

  • セロトニン不安・気分の落ち込み
  • ノルアドレナリン意欲・気力
  • ドーパミン興味・楽しみ

セロトニンの量が減ると不安や身分の落ち込みが強くなり、ノルアドレナリンが減ると意欲や気力が低下、ドーパミンが減ると興味や楽しみの感情を失うと言われています。

このような考え方をモノアミン仮説という。

どのような病気に使われるか

うつ症状の改善にはもちろん、不安の病気にもよく使われます。(パニック障害、社交不安障害、強迫性障害など)

また、睡眠を促す作用のある抗うつ薬は睡眠障害に使われることもあります。(鎮静系抗うつ薬)以下のような薬が該当します。

  • NaSSA→ミルタザピン(リフレックス)
  • 四環系抗うつ薬→テトラミド
  • その他→デジレル

抗うつ薬の種類

抗うつ薬はモノアミンを2つの方法で増加させます。

  • 分泌されたモノアミンが再吸収されるのを防ぐ(再取り込み阻害)

主には再取り込み阻害作用が中心となります。

分泌された神経伝達物質は役割が終わると回収されます。(これを再取り込みと言います)回収を阻害することでモノアミンの量を増やします。回収されずに残ったモノアミンは残って作用し続けます。

  • モノアミンを増やす(自己受容体遮断)

モノアミンがしっかり分泌されていると受容体にくっついた時に脳が「もう十分」と認識し分泌を抑制します。この受容体をブロックしてしまえば「モノアミンが足りない」と勘違いするのでモノアミンの分泌が増加されます。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

  • パキシル
  • フルボキサミン
  • ジェイゾロフト
  • レクサプロ

セロトニンだけを増やすよう作られた抗うつ薬。副作用が少なく第一選択薬として使われます。

飲み初めの頃に吐き気、胃痛、下痢を訴える方もいますが、時間と共に軽減していきます。

飲み忘れや急に中止したりすると離脱症状が現れることもある為注意が必要です。

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

  • サインバルタ(デュロキセチン)
  • イフェクサーなど

セロトニンだけでなく、ノルアドレナリンにも作用する薬。SSRI同様に副作用(血圧上昇・頻脈・動悸)が少なくよく使わる抗うつ剤です。

ノルアドレナリンには痛みを軽減する作用もあるため、慢性的な痛みがある方に使われることもあります。(糖尿病性神経障害や慢性腰痛など)

NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動薬)

  • ミルタザピン(リフレックス)

新しいタイプの抗うつ剤の中で最も効果が強い薬。低下したセロトニンとノルアドレナリンの分泌を促し、セロトニンが効率よく動けるよう作用します。

しばしば飲み初めに強い眠気・怠さと食欲増進を訴えますが時間と共に軽減していきます。

実際現場ではこの副作用を利用して、不眠気味・食欲低下気味のうつ病の方に処方されることが多いイメージです。

抗うつ薬は消化器系の副作用(吐き気・嘔吐)が多いが、ミルタザピンは特殊でこれらが出にくい

効果を実感できるのが早い。人によるが早ければ1週間ほどで体感できることもある。

三環系抗うつ薬

  • アナフラニール
  • トリプタノールなど

1番歴史の古い薬。

治療の際は新しい抗うつ剤を試すのが先ですが、それらで効果が十分に認められなかった場合に使用されることがあります。

効果は強いが副作用(便秘、口渇、眠気、ふらつき、体重増加)も強い。

四環系抗うつ薬

  • ルジオミール
  • テトラミド

三環系抗うつ薬の副作用を減らすために開発された薬。

ノルアドレナリンだけに作用する。

三環系に比べ副作用は減ったが効果も弱くなった。あまりみたことない。

その他

  • デジレル(トラゾドン):効果はマイルド。睡眠を深くする特徴があり睡眠薬として処方されることもある。
  • ドグマチール(スルピリド):胃薬として開発された薬。少量で使うとドパミンを増やす効果あり。
  • エビリファイ(アリピプラゾール):抗精神病薬。少量で使うと他の抗うつ薬の効果を助ける働きがあり、併用して処方されることがある。ドパミンを増やす効果あり。
  • トリンテリックス:様々なセロトニンを中心とした受容体を調整。

抗うつ薬を中止する時には離脱症状に注意が必要です。

急に量を減らすと調子を崩すことがあるため、ゆっくり計画的に減薬していきましょう。

(スポンサーリンク)

ひされな
看護師
看護師夫婦と猫2匹のほのぼのブログ
2023.2〜夫婦揃って故郷である石垣島に移住し、島の看護師として奮闘中
仕事だけでなく遊びも全力で楽しみたいアラサー夫婦と猫のなんでもない日常を石垣島の絶景たちを踏まえて投稿しています
島での生活に興味のある人、リゾート地で短期で仕事をしたい、リフレッシュしたい人などの目に止まれば嬉しいです!よろしくお願いします

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次