今回は呼吸器の解剖、呼吸のしくみについてまとめてみました。まずは呼吸器の構造を押さえます!
肺の構造
肺は胸腔内にある臓器の一つです。左右に一つずつあり、右肺は上葉・中葉・下葉、左肺は上葉と下葉から成ります。10:8の割合で右肺の方が大きく、左肺は心臓が左寄りに位置しているため少し小さいです。肺の上の尖った方を肺尖(はいせん)下の広くなっている部分を肺底(はいてい)といいます。
気道の構造
呼吸をする時、空気は気道を通ります。気管は1本ですが、気管分岐部で左右の主気管支に分かれます。右主気管支は左主気管支と比べ、短く、太く、垂直に走行しています。
ガス交換のしくみ
◎拡散
拡散とは、分圧の高い方から低い方へと酸素や二酸化炭素の移動が起こる現象のことをいいます。拡散は、肺胞に取り込まれた酸素を取り込み二酸化炭素を排泄する外呼吸と、ヘモグロビンと結合した酸素を肺胞へ受け渡して二酸化炭素を回収する内呼吸があります。肺の疾患で障害されるのは外呼吸がほとんどです。
外呼吸のしくみ
肺を伸び縮みさせるためには3つの要素があります。
①胸腔内圧と肺の縮む力
吸気時に胸壁を外側に動かして肺を引き伸ばし、呼気時には胸壁の力をゆるめて、肺の本来もっている縮む力で縮ませています。
肋間の筋肉が伸びると胸壁が広がり、肺も横に引っ張られてふくらみます。これを吸気といいます。肋間の筋肉が縮み、胸壁を縮ませるための肺も押されて縮みます。肺が縮むことで肺の中の空気が外へ押し出されます。これを呼気といいます。
②横隔膜
横隔膜はドーム状で大きな膜状の筋肉です。吸気時は、横隔膜が収縮して下に動き胸腔が広がり肺の内側の圧力が下がります。圧力が等しくなるように空気が肺の中へ流れ込みます。呼気時は横隔膜が緩んで上に戻り肺と胸壁の弾性で空気が肺から押し出されます。
③呼吸補助筋
労作時など大きく呼吸をする時は肋間筋や胸鎖乳突筋など、他の呼吸筋の手助けにより胸郭を大きく動かします。
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