【絶対1回はつく介助!】CVC (中心静脈カテーテル)挿入

(スポンサーリンク)

(スポンサーリンク)

目次

CVC挿入の適応

IVH(高カロリー輸液)を必要とする場合

高カロリー輸液とは、高濃度のブドウ糖を含む輸液。

ブドウ糖の濃度が高いと浸透圧が高くなり、血管痛や静脈炎のリスクが高くなるが、中心静脈は心臓に近く流れが早くて太い血管であるため薬剤が長くとどまらず静脈炎のリスクが低い。

そのため高カロリー輸液は CVCから投与する必要がある。

末梢ルート確保が困難な場合、多くの薬剤を投与する必要がある場合

ショックバイタル、熱傷、外傷、高度な肥満や高齢など…。ショックバイタルで急速輸液や昇圧剤の使用が必要な場合もCVC挿入の検討が必要である。

CVP(中心静脈圧)の測定が必要な場合

CVPを測定すると循環動態が分かる。(CVP基準値:5~10mmHg)

・CVPが高い→輸液過剰、心不全 ・CVPが低い→出血、脱水

CVCの挿入部位

内頸静脈

メリット:手技が比較的容易、出血時の圧迫止血が容易

デメリット:固定が難しい

鎖骨下静脈

メリット:カテーテル固定がしやすい、感染のリスクが低い

デメリット:手技が難しい、誤穿刺による気胸・血胸のリスクがある

大腿動脈

メリット:手技が比較的容易、出血時の圧迫止血が容易

デメリット:陰部が近く排泄物により汚染されやすい。長期留置により胎動が制限され、深部静脈血栓症のリスクがある

CVCの構造と投与経路

CVCはポートの数によって名称が変わる。投与経路が1つのシングル、2つのダブル、3つのトリプル、4つのクワッドがある。下図は最も使用頻度の高いトリプルルーメンのカテーテル。

Distal(ディスタル)

メインルート。心臓に近く出口の穴が一番大きいため、粘稠度の高い高カロリー輸液や大量輸液が必要な場面に使用される。

Medial(メディアル)

真ん中にある穴。私の勤めている病院では鎮静系やインスリンの持続投与、CVP測定に使用されている。

Proximal(プロキシマル)

挿入部位から1番近く、心臓に遠い穴。1番早く血中に流れ出るため昇圧剤の投与ルートとして使用される。

病院によって違うかも… 病院によってはメディアルとプロキシマルで使用する薬剤が逆というところもあります。誰が操作しても同じ場所に同じ系列の薬剤がつながっているということが、事故を防ぐために1番重要なポイントだと思うので自分の働いている病院でのマニュアルも確認してみてください。

CVC挿入による合併症・観察

気胸・血胸

内頸・鎖骨下静脈穿刺は、肺の近くを穿刺する。そのため、胸膜を誤穿刺してしまった場合、気胸・血胸の危険性がある。気胸や血胸が起きると、胸痛・呼吸困難・SpO2低下が起きる。緊張性気胸を起こすと空気で心臓が圧迫される状態となり血圧低下、ショックバイタルに陥る危険性がある。

この状態が起きてしまった場合は、緊急で胸腔ドレナージや、状況によっては開胸オペが必要となる場合もある。

穿刺時は呼吸状態に注意して観察を行い異常時は医師に迅速に報告をする。

腹腔内出血

大腿静脈を貫通してしまうと、血管が破れ腹腔内に出血が起こりショックバイタルに陥る危険性がある。その場合は止血術を行う必要があるため、アンギオやオペが必要となる。

動脈誤穿刺

動脈を誤穿刺してしまった場合には、直ちに穿刺針を抜去して圧迫が必要となる。抗凝固薬を内服中で出血傾向のある患者さんの場合は皮下血腫の形成リスクが高まる。止血困難な場合にはオペが必要。

空気塞栓

CVC挿入時に胸腔内の陰圧に影響して空気が血管内に引き込まれ発生する。空気塞栓が起こると、肺動脈塞栓による胸痛、呼吸困難、頻脈などの症状が出現し脳塞栓になると、麻痺や意識障害などの症状が出現する。

カテーテルの位置異常

カテーテルが挿入されすぎると、心室性期外収縮(PVC)が誘発される。カテーテルを引いて先端を正しい位置に戻せば消失するため、介助につく際はモニタリングを行い不整脈出現時は医師に報告する。挿入後は胸部Xpでカテーテル先端が適切な位置にあること、気胸、血胸がないことを確認する必要がある。

カテーテルの正しい先端位置は、右心房に近い大静脈

(スポンサーリンク)

ひされな
看護師
看護師夫婦と猫2匹のほのぼのブログ
2023.2〜夫婦揃って故郷である石垣島に移住し、島の看護師として奮闘中
仕事だけでなく遊びも全力で楽しみたいアラサー夫婦と猫のなんでもない日常を石垣島の絶景たちを踏まえて投稿しています
島での生活に興味のある人、リゾート地で短期で仕事をしたい、リフレッシュしたい人などの目に止まれば嬉しいです!よろしくお願いします

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次