患者さんに点滴自抜されちゃって、インシデントレポートを書いてたら残業になっちゃったよ〜。
あちゃ〜、そうだったんだね。インシデントを書くのは大変だけど、自分の行動の振り返りができるし、起きてしまったことの原因や今後の対策についてチームで共有するために重要なものだよね。
新人の頃初めてインシデントを起こしてしまった時は、この世の終わりってくらいの勢いで落ち込んだし引きずった記憶があるな…(今となっては書いた経験がありすぎて、反省しつつもレポートを書くという仕事が増えてしまった…という新人の時とは違う落ち込みがあります)
確かにインシデントレポートは新人さんにとって少しマイナスなイメージがあるかもしれないね。今回はインシデントレポートは個人を責めるためのものではないんだよってことをお話していきたいと思います。
インシデントレポートって?
厚生労働省はインシデントについて、日常診療の場において誤った医療行為などが患者に実施される前に発見されたもの、あるいは誤った医療行為などが実施されたが結果として患者に影響を及ぼすに至らなかったものと定義しています。同義でヒヤリハットとも言います。
インシデントレポートの目的
重大な事故を未然に防ぐことこれがインシデントレポートの目的です。原因を突き止め、再発防止を講じるためのものであり始末書というわけではありません。原因を客観的に振り返り、チーム全体で対策を練り共有することが大切です。
どうしてもマイナスなイメージがある・・・
誰にでもミスはあるのに、失敗は悪いことだという考えにとらわれてしまうことはありませんか?このようなマイナスな感情は、インシデント発生により先輩や同期に批判されるかもしれないといった強い不安につながります。
私の人生初のインシデントは、24時間持続で経管栄養を行なっており4時間毎に血糖測定指示のある患者さんの血糖測定を忘れてしまったことです。(スケール対応あり)14時の血糖測定時に、「あれ?そういえば10時の血糖測定ってやったっけ?」と思った次の瞬間には頭が真っ白になり、泣きそうになりながらリーダーさん、医師に報告しました。結果として14時の血糖測定時にスケールクリアしていたので、次からは気をつけてね程度で終わりましたが初めてのインシデントにかなり落ち込んだことを覚えています。インシデントレポートを作成し、血糖測定のある患者さんの測定時間をそれぞれの電子カルテワゴン(HCUだったので患者さん1人ひとりの専用電子カルテがありました)に立て札を置き把握するという対策が立てられ次から同じミスをすることはなくなり、今となっては悪いことじゃなかったな、と感じています。
看護師を続けていくと想像以上に多くのインシデントに遭遇するよね。たとえば、シーツ交換していたらいつのか分からない錠剤がでてきたり、点滴の速度を間違えてしまったり…。でも大切なことは隠したり言い訳をせずしっかり報告し、チーム全体でどうしたら改善できるか前向きに考えることかな、と思います。
新人さん時代はインシデント1つひとつに対しての精神的ダメージが大きくて気持ちが切り替えられないまま業務をすすめ、インシデントを繰り返してしまうこともあるので、あまり引きずらず「事故にならなくてよかった」「次から気をつけよう」で切り替えていくことが、自分の心のためにも患者さんのためにもいいなって私は思います。もしインシデントで落ち込んでいる新人さんがいたら、悪いことじゃないから気にしすぎないでねと伝えたいです。
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